第52回琉球新報芸能コンクール審査日程が下記のように決まりました。
・笛 → 8月6日(日) 新人19名、優秀11名、最高8名
・胡弓 → 8月7日(月) 新人4名、優秀11名、最高3名
・三線新人→ 8月8日(火)、8月10日(木)42名
・三線優秀→ 8月14日(月)30名
・三線最高→ 8月19日(土)14名
なお、各部門のコンクール指導日程は下記のように決まりました。
・笛・胡弓指導日 → 7月23日(日) 午後からの予定 国立劇場おきなわ
・歌・三線 新人指導日→ 7月29日 (土) 10時~13時 (受付締め切りは12時) 国立劇場おきなわ
・歌・三線 優秀指導日→ 8月6日 (日) 10時~15時 (受付締め切りは12時) 国立劇場おきなわ
・歌・三線 最高指導日→ 8月12日 (日) 10 時~15時 (受付締め切りは12時) 国立劇場おきなわ
平成29年度 安冨祖流絃聲会定期総会および例祭が下記のように開催されます。
<定期総会>
1.日時 平成29年5月7日(日) 13時30分~16時30分
2.場所 浦添市産業支援センター「結の街」(沖縄県浦添市勢理4-13 -1)
3.議題
(1) 平成28年度活動報告、平成28年度会計報告、平成28年度会計監査報告
(2) 平成29年度活動計画(案)、平成29年度予算(案)審議
(3) 平成28年度師範・教師免許交付
(4) その他
4. 演奏
(1) かぎやで風節、恩納節、長伊平屋節、中城はんた前節、こてい節
(2) 早口説、道輪口説、安波節
(3) 干瀬節、子持節、散山節
<例祭>
1.日時 平成29年5月7日(日) 午前11時(集合時間10時30分)
2.場所 安冨祖流 楽祖の碑(沖縄県立図書館敷地内) 那覇市寄宮1-2-16
3.出席者 絃聲会役員、執行部、平成28年度師範・教師免許合格者、参加希望者
4.奉納演奏
(1) かぎやで風節 (うたの道学で 人の道悟て 世間御万人に かなささりり)
(2) ヂャンナ節 (昔事やすが 今までも肝に 忘ららぬものや 師匠の情)
(3) 大兼久節 (名護の番所 只今の葉書 吾ん持たち給れ 吾無蔵見やがな)
平成29年1月18日(水)、那覇市古島のマリエールオークパインにおいて、「平成28年度 安冨祖流合同祝賀会」が盛大に開催されました。
受賞者
照喜名朝一 ハワイ沖縄連合会レガシー・アワード
ハワイ連合会のレガシー・アワードは、「生涯を通じての偉大な業績に対する表彰」で、それぞれの専門分野において、偉大な業績をあげ、かつハワイのコミュニティーに顕著な貢献をした人物に対して、尊敬を込めた栄誉として贈呈されるものであります。
先生は1961年以来これまで55年間にわたり、ハワイで歌三線の指導、琉球舞踊、「組踊」公演、琉球古典音楽安冨祖流研究所設立等で沖縄伝統芸能の普及に大きく尽力されました。
また、先生の活動は沖縄伝統芸能の普及活動にとどまらず、ハワイ留学生の支援、ハワイ沖縄センター建設事業、ハワイ沖縄プラザ建設協力、ハワイ・オキナワフェスティバル、国際文化交流など多岐において尽力し貢献されました。その業績が評価され平成21年には、ハワイホノルル市より3月27日を「Choichi terukina」の日として制定されております。
今回のレガシー・アワード受賞は、先生のこれまでの多大な業績に対する表彰であります。
尚、今回の先生の受賞は、ハワイ以外の人物では初めての快挙であります。
琉球古典安冨祖流音楽研究朝一会 平成28年度沖縄県文化功労者賞(団体)
琉球古典音楽安冨祖流絃聲会師範 照喜名朝一を総帥とする会員300名余の琉球古典音楽安冨祖流の研究音楽団体。昭和35年知念村知名に琉球古典音楽安冨祖流研究所開設以来、毎年知念村の祭りに参加。また、研究所発表会を平成6年に第1回「翔べ!!うた三線」公演を開催し、今年まで毎年25回開催しました。永年にわたり安冨祖流音楽の保存・継承につとめ、幅広い公演活動を通し琉球古典音楽を普及し、沖縄県の文化振興に多大な貢献をしたことが評価され表彰されました。
多くの会員が県内外や海外で沖縄伝統音楽の演奏・普及・指導活動を行い、世界に琉球芸能を紹介している。また、安冨祖流音楽後継者指導・育成にも意欲的に取り組んでいる。
濱元盛爾 平成28年度沖縄県文化功労者賞
永年にわたり、琉球古典音楽安冨祖流の保存・継承と練磨に努め、沖縄県指定無形文化財「沖縄伝統音楽安冨祖流」の保持者として、その普及と後進の指導・育成に尽力し沖縄県の文化振興に貢献した。
大城進昭 平成28年度沖縄芸能連盟功労賞
永年にわたり、琉球古典音楽安冨祖流の保存・継承と発展に貢献し、沖縄県指定無形文化財「沖縄伝統音楽安冨祖流」の保持者として、その普及と後進の指導・育成に尽力し沖縄県の文化振興に貢献した。
瑞慶覧長仁 平成28年度沖縄芸能連盟功労賞
永年にわたり、琉球古典音楽安冨祖流の保存・継承と発展に貢献し、沖縄県指定無形文化財「沖縄伝統音楽安冨祖流」の保持者として、その普及と後進の指導・育成に尽力し沖縄県の文化振興に貢献した。
同祝賀会においては、多数の芸能関係者や弟子がお祝いに駆けつけ、各先生の日頃の芸能活動に対する受賞を全員で祝福した。
平成29年3月18日(土)19日(日)の両日、浦添市産業支援センター・結の街(三線部門)、国立劇場おきなわ(笛、胡弓部門)において、「平成28年度 安冨祖流絃聲会師範・教師免許審査」が実施されました。
歌・三線部門 師範に17名受験12名が合格、教師に20名受験20名全員が合格、笛師範部門に4名受験4名全員が合格、教師部門に2名受験2名全員が合格、胡弓師範部門1名受験1名が合格しました。
合格者は以下の通りです。
さらに、合格者の写真も掲載します。
歌・三線師範(12名)
歌・三線教師(20名)
笛・師範(4名)
笛・教師(2名)
胡弓・師範(1名)
運天伊作
歌・三線師範(12名)写真
歌・三線教師(20名)写真
笛・師範(4名)写真
笛・教師(2名)写真
胡弓・師範(1名)写真
琉球古典音楽安冨祖流絃聲会 平成28 年度師範・教師免許審査日程及び応募者数。
① 免許審査
歌・三線教師 平成29年3月18日(土) 浦添市産業支援センタ(結の街) 午後13時 30分審査開始 受験者→20名
歌・三線師範 平成29年3月19日(日) 浦添市産業支援センタ(結の街) 午前10時 審査開始 受験者→17名
笛・胡弓(教師・師範) 平成29年3月19日(日) 国立劇場おきなわ3階(養成研修室) 午後5時30分審査開始 笛教師からスタート
受験者 笛教師→2人 笛師範→4人 胡弓師範→1人
② 審査発表、判定講評
三線教師→3月18日(土)19時30分頃、浦添市産業支援センタにおいて
三線師範→3月19日(日)16時50分頃、浦添市産業支援センタにおいて
笛(教師・師範)→3月19日(日)19時頃、国立劇場おきなわ(養成研修室)において
胡弓(師範) →3月19日(日)20時頃、国立劇場おきなわ(養成研修室)において
※受験者は必ず審査発表、判定講評に参加して下さい。
平成28年9月22日(木・祝日)午前9時30分より、沖縄県立博物館講座室において「師範・教師研修会」が実施されました。この研修会は安冨祖流執行部が、琉球古典コンクール歌・三線新人部門受験者の減少を受けて危機感を感じたことと、来年の安冨祖流絃聲会創立90周年に向け、会員の拡大と組織の連携強化を図るため、今回はじめての取り組みとして、県内在中の全師範教師を対象に開催されました。
当日は、師範・教師約80名が参加し大変盛り上がりました。
※このページの後半に、研修会に参加したお二人からの感想文を掲載してあります。
講演1 照喜名朝一(国指定重要無形文化財「琉球古典音楽」保持者
講演2 新城 亘 (安冨祖流絃聲会師範)
師範・教師研修会に参加して (安冨祖流絃聲会師範 大嶺雅規)
研修会での主な内容は次の通りでした。
始めの挨拶の中で宮里会長から古典芸能コンクール受験者数が減少傾向にあること、とりわけ今年は新人賞の受験者数が極端に少なかったことが報告されました。次に新城亘氏から「安冨祖流の楽人たち」と題して安冨祖正元以降、昭和前期まで系譜を添えて相当数(系譜載っているだけで90人以上)の安冨祖流奏者が紹介されました。最後に照喜名朝一氏から「安冨祖流の継承について」と題して安冨祖流(宮里春行先生)との出会いからご自身が体験してきた芸能活動を様々なエピソードを交えてお話していただきました。
これらの話を聞いて安冨祖流継承の難しさ(面白さでもありますが)について感じたことを個人的な経験をまじえて書いてみます。
稽古では正座して師匠と対面し、左手、右手の動きを見ながらそのまま真似るように指導されます。手の動きが師匠を一緒になれば歌もそのうちできてくると何度も言われました。習い始めの頃は尺のウスイミーが弱い、右手を上げるのが速い、左手の動きが似ていない、ミージルが強い、左腕(三線)が下がっている、姿勢が悪いなど、指摘されるたびに何度も中断です。何とか1曲を通して終えてもとても覚えられそうにありません。(これはあくまで私の事でこんなこと指摘されない弟子はいます)。それでもとにかく、手も、体の動きも、口の開け方もとにかく真似ます。そのうち少しぐらいは師匠に似てきたかなぁと思うこともあります。
基本的には楽譜を使わず何度も何度も稽古することで体(主に両手)の動きとともに歌が師匠と一つになることを目指していると思われます。そして、できるかどうかはわかりませんが十分に師匠の技と一つになった後、更に稽古をつめばその型を内側から破っていく揺らぎのようなものが出てくるのかもしれません。私には出来ない事ですが。
照喜名朝一氏は研修会などで歌の伝え方として凧紐のたるみ、放り投げた風船が階段をゆっくり跳ねて落ちていく様子、小さな溝をひょいと飛び越える感覚、海のゆったりとしたうねりなど自然の動きを使ってうまく説明しています。習得の難しい芸の深いところを弟子に伝えるための工夫です。
安冨祖流の音楽を習得するには、長い期間にわたって(おそらく一生)師匠に稽古をつけてもらう必要があるということでしょう(才能に恵まれた例外的な人もいると思います)。
こんなに手間と時間がかかるんじゃ稽古を続けるのも大変です。安冨祖流奏者がなかなか増えないのももっともだなとつい思ったりします。
でもそれじゃ困りますね。
安冨祖流の系譜を見てみます。たくさんの安冨祖流奏者が名前を連ねていますが、現在活躍している安冨祖流実演家に繋がっているのは安室朝持→金武良仁→古堅盛保→宮里春行・比嘉徳三→という一つの流れです。誤りがあるかもしれませんがこの時期の他の多くの安冨祖流奏者には現在につながる後継者がいないように見えます。当時は戦争や社会的な事情から芸能を次世代に伝えるのが大部分の人には困難だったのでしょう。もしかしたら安冨祖流の音楽が現在に伝わらなかったかもしれないと思うとぞっとしますね。
しかし誰でも知っているように宮里春行先生、比嘉徳三先生の後を継いだ師匠たちはそれぞれ多くの素晴らしい弟子を育て上げてきました。そして現在若い実演家たちがたくさん活躍しています。それとともに力量のある指導者も増えています。安冨祖流の歌を習得するには手間と時間がかかりますが、これからも安冨祖流の新しい仲間を数多く迎えることは十分期待できます。
安冨祖流の歌は実際に歌ってみて楽しく面白い、そして、歌っていて気持ちがいい。私もこの素敵な歌をいくらかでも伝えることができればと思っていますが、そのためには仕事を少し減らしたほうがいいのかなぁと少し悩んでいます。
師範・教師研修会に参加して (安冨祖流絃聲会師範 松本 紀)
去る9月22日秋分の日に、県立博物館内の講座室において、安富祖流師範・教師会が開催され、そこに参加した。冒頭、宮里敏則会長より今回の研修の趣旨説明と挨拶があり、その後安冨祖流の新城亘先生、照喜名朝一先生の講話となった。
新城亘先生からは、「安冨祖流の楽人たち」と題し、特に昭和初期から近年までの安冨祖流の先生方のエピソードや、その子孫の方々との会話の内容を紹介して頂き大変勉強になった。<安富祖―安室―金武―古堅―宮里>の継承の流れは分かっていたが、同じ時代を生きた先生方は殆ど名前も分からない方が多くいたので、今後安富祖流を勉強する上でも知っておくべきだと感じた。
照喜名朝一先生からは、古典音楽の世界に入った時の話や宮里春行先生との思い出の話、また安冨祖流を盛り上げたいと言う強い思いを聞かせて頂いた。中でも印象に残った話は、戦中戦後の混乱期の中で宮里春行先生がいかにして安冨祖流を継承するために尽力されたか、と言う話だった。
戦後、宮里春行先生が大病に伏せている時、安冨祖流の仲間が枕元で「宮里を死なせていけない。安冨祖流が途絶えてしまう。」と夢うつつの中で聞こえ、その時「安冨祖流のために尽くそう」と決意された、と言う話には大変感銘を受けた。
お二人の講話を聞き、その時代時代で先人達が継承してきた「安冨祖流」を、今の時代を生きている自分達がより一層頑張らなければならないと感じた研修となった。