令和5年6月4日(日)午前、沖縄県立博物館・美術館講座室において令和5年度師範・教師研修会が開催されました。
研修会では、当会師範で芸術博士の新城亘氏を講師にお招きし、「安冨祖正元の年譜と履歴」と題して講演が行われました。講演では、さまざまな文献資料を根拠に安冨祖正元の功績について紹介され、音楽家としての一面以外にも、首里王府において様々な要職で活躍されたことが紹介されました。また、安冨祖流音楽の伝承には安冨祖正元の二男、安富祖正敷(あふそせいふ)が深く関わったことも紹介され、安冨祖流音楽の始祖について見識を深める時間となりました。
また、会場から質問として「安冨祖流」の「冨」は「富」ではないのかという疑問が投げかけられました。
この疑問に対して、当会師範で安冨祖正元の子孫にあたる安冨祖忠章さんから、安冨祖正元は王府時代、恩納間切安富祖村の地頭職に就いたことから安富祖を名乗るようになっている。そのことから考えると本来は安富祖とすることが妥当だと考えるが、廃藩置県後の戸籍制度導入の際に「安冨祖」として登録がされ、現在に至っていることが報告されました。